真紅の日記
今日、水銀燈のマスターが亡くなられた。あの子の大きな支えがなくなってしまった。あの子の事だ、きっと私たちを受け入れるということはしないだろう。これを機に共に暮らせれば一番いいと思うのだが。

4月●日
ジョンがちょっとだけいいことを言った。あんなこと言われなくても私は行動するつもりだったが、背中を押されたほうがいいスタートが切れるというものだ。私は水銀燈を探すことにした。

4月●日
ここ何日か、水銀燈を探しているがみつからない。なんで見つからないのだ。

4月●日
今日とんでもないことを口走ってしまった。だいたいジュンとの契約はどうするつもりなのだ。このままでは、離れられない。  

4月●日
今日、いいことを思いついた。これを実行すれば、この部屋でつける日記もこれで最後になるだろう。

4月●日
今日、ジュンにお願いして、口付けをした。まさか、私がこんなことをする羽目になるとは。まあ、ジュンも私がいなくてももうやっていけるだろう。翠星石もいることだし。これで私はアリス失格だ。

〜カット〜

水銀燈との生活が始まった。そのついでに日記を水銀燈にも書かせることにした。嫌なことを忘れたいからってカバンで寝なければ、これからの生活のことも忘れてしまうかもしれないからだ。カバンで寝る特別な意味なんてこれからの生活で得られるものだけで十分だ。

〜カット〜

水銀燈と私はやはり似たつくりになっているらしい。なかなか、順調にことがすすんでいる。体の調子も以前より良いくらいだ。